外国人介護士は「夜勤」をいつから任せられる?安全な配置基準と見極めのチェックリスト

「夜勤に入ってもらえれば、シフトが劇的に楽になるのに……」 深刻な夜勤人員不足に悩む現場リーダーにとって、外国人スタッフの夜勤投入は最大の関心事です。しかし、一方で「急変時に一人で対応できるのか?」「ご家族への電話連絡は?」という不安も尽きないでしょう。
結論から言うと、特定技能や技能実習生も夜勤は可能ですが、「いつから」については法的な基準と、安全を担保するための「現場の基準」の2段構えで考える必要があります。
今回は、事故を防ぎつつ最短で夜勤デビューを目指すためのステップと、見極めチェックリストを公開します。
1. 【期間の目安】いつから夜勤は可能なのか?

制度によって異なりますが、現場の安全性を考慮すると以下の期間が一般的な目安となります。
① 特定技能(介護)の場合:入社直後〜3ヶ月
特定技能は「即戦力」としての資格です。理論上は入社初日から夜勤が可能ですが、多くの施設では1ヶ月〜3ヶ月程度の日勤帯での教育期間を経て導入しています。
理由: 施設の設備、入所者の疾患特性、緊急時のフローを理解する時間が必要だからです。
② 技能実習(介護)の場合:入管後6ヶ月以降が望ましい
技能実習生については、厚労省のガイドライン等で「実習開始から6ヶ月程度経過し、日本語や業務に習熟した後」という趣旨の推奨があります。
理由: 学習が目的の制度であるため、まずは日勤帯で十分な指導を受ける必要があるためです。
2. 夜勤を任せるための「3つの必須条件」

期間だけでなく、以下の3つの能力が備わっているかを確認してください。
- ナースコール・センサーへの即応:単に駆けつけるだけでなく、訪室後に「何が起きているか」を状況判断できる必要があります。
- 緊急連絡フローの理解:「この症状の時は看護師に電話する」「この時は救急車を呼ぶ」という判断が、パニックにならずにできるか。
- 申し送り・記録ができる:夜間の出来事を翌朝のスタッフに正確に(あるいは介護記録に)残せる日本語力が必要です。
3. 【決定版】夜勤デビュー見極めチェックリスト

夜勤を任せる前に、リーダーが確認すべき具体的なチェック項目です。
| 項目 | チェック内容(これができればOK) |
|---|---|
| 安全管理 | 事故(転倒・転落)が起きた際、第一発見者としての初動ができるか |
| 緊急対応 | オンコール(看護師)への電話連絡で「誰が・いつ・どうなった」を伝えられるか |
| 医療的配慮 | 吸引やインスリン対象者の「やってはいけないこと」を理解しているか |
| 日本語力 | 入所者の訴え(「お腹が痛い」「眠れない」など)を正確に聞き取れるか |
| 記録業務 | 排泄・巡回の記録を、定型文を使って正しく入力・記載できるか |
| 信頼関係 | 夜間に不安を感じる入所者に対し、安心感を与える声かけができるか |
4. 失敗しないための「段階的」夜勤導入ステップ

いきなり一人で夜勤をさせるのではなく、以下のステップを踏むのが安全です。
- ステップ1:夜勤同行(シャドウイング)日本人スタッフの夜勤に同行し、1回〜3回程度、全体の流れを体験させる。
- ステップ2:部分的な担当2名体制の夜勤であれば、片方のフロアや特定の業務を任せ、日本人ペアが常にフォローできる状態で実施。
- ステップ3:ワンオペ夜勤(※特定技能のみ推奨)十分な経験を積んだ後、緊急連絡体制(オンコール)を強化した上で単独夜勤へ。
※技能実習生の場合は、原則として複数名体制での夜勤が望ましいです。
5. まとめ:夜勤は「日本語力」より「判断力」
意外かもしれませんが、夜勤で最も重要なのは流暢な日本語ではありません。
「いつもと違う」という異変に気づき、すぐに誰かに助けを呼べる「判断力」です。
「この子は日本語がまだ下手だから夜勤は無理」と決めつけず、まずは日勤帯で「異変への気づき」をトレーニングすることから始めてみてください。それが、夜勤人員不足を解消する最短ルートになります。
弊社では、夜勤導入に向けた「外国人スタッフ用・緊急時対応マニュアル(図解版)」の作成支援も行っております。現場の安全と人員確保の両立にお悩みの方は、お気軽にご相談ください。


